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天使の降りた家

天使の降りた家

静岡てんかんセンター

大きな痙攣重責から一ヶ月。
私達はこのままの治療に不安を感じ始めていました。
薬を飲んでいたのに痙攣重責が起こってしまった事。
それから、毎晩続く寝る前のビクつき。

夫婦で話し合い、静岡にあるてんかん専門病院
『静岡てんかん・神経医療センター』にセカンドオピニオンに行く事にしました。
弦ちゃん4歳9ヶ月。1月の寒い時期でした。



その時の日記をそのまま転記します。

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2012年1月29日

静岡てんかん・神経医療センターに行ってきました。

可哀想な事に、弦ちゃんは体調があまり良くなく
微熱で元気なし。おまけに前日から食べた物を吐いていました。

水分だけはちょくちょく飲ませていたのですが、
悪化するようなら、キャンセルするつもりでした。

朝ご飯は何とか食べれて、熱も上がっては来なかったので、
話を聞くだけだから・・・と受診してきました。





まずは、問診からでした。

今回の私達の調べたかった部分は3つ。

  ● 痙攣重責が起こったが、今の薬(フェノバール)で適正なのか。
   量・種類はこのままで良いか?
    
  ● 寝る前、2~5秒おきにビクッと電気が走った様にビクつく。
   これは何なのか?
   (主治医は、驚愕反応かミオクローヌスではないかとの見解)

  ● 時々力が入りすぎて固まり、その後ギャーーと泣く。
   これは発作か?筋肉の緊張か?
   


一応、脳波と脳の画像データを持っていたのですが、
こちらでも再度脳波を撮った方がいい、との話になり、
脳波検査を受ける事になりました。

体調が悪いので、今回は睡眠薬を飲ませないで検査します。

脳波

脳波検査が嫌いな弦ちゃん。
頭にコードを付けて半べそ状態です。

脳波

コードを付けた上から包帯でぐるぐる巻きにして固定します。
いやだいやだと言いながらも、頑張りました。







検査は成功しました。

うまい具合に、いつものビクつきが出ました。
やがてビクつきが止まり、そのまま深い眠りへ・・・・

脳波は起きている時と寝ている時を撮りたいのでバッチリでした。

弦ちゃんとくっついて寝てしまった遥ちゃん、二人ともグッスリ寝れて、
弦ちゃんは体調が良くなったのでは?と思うほど顔がスッキリしていました。







その後、昼食を挟んで
今度は部長医師の診察でした。

両親の育った環境から妊娠中の事・出産してからの経過など
細かく丁寧に聞かれました。

そして、検査結果。
脳波はデーター化されていて(ここがさすが~と驚いたけど)
全ての場所をビデオと脳波が連動されて見れます。

以前よりも、脳波は悪くなっていました
寝ている間、何度も何度もてんかん波が押し寄せていました。





結果を先に言いますと、
弦ちゃんの症例はとてもレアな症状だそうです。

こんな症状は、先生もめったに見た事がない・・・・・と。






まずは、寝る前のビクつき。
この部分は異常波はありませんでした。

ビクッとなる時には脳波は正常で、
ただ静かに寝ている時には異常波がいっぱい出ていました。


ビクつく様子を見て、
「これは驚愕反応でも、ミオクローヌスでもないと思います。
私が推測するに、脳波上では写らない脳の奥部分の
てんかんではないかと思います。」

動きはウエスト症候群のスパズムに似ているけど、
ウエスト症候群はこんなに指先までピーンとはしない。
肩だけがビクッとする。
ウエスト症候群の非典型的な例かもしれない・・・・。」


どうやら、寝る前にこんなに手が跳ね上がってビクつく症例は
見た事がないので、ハッキリ診断が出来ないそうです。





次は、時々ガクッと力が入っておお泣きする事。

これも、てんかんの一種だろうと。
これだけ異常波が出ているので、
体調が悪かったり何かの拍子に出て来ていてもおかしくない。
これが悪化すると、もっと頻繁にでてしまうかもしれない・・・・と。


そして、痙攣重責。
ビデオに撮っていたので見てもらうと、

「これはジャクソンマーチ(部分痙攣)ですね。
脳の色んな部分が次々と連動して異常波を起こす事で起こります。」


「とにかく、このてんかん波が頻繁に起こっているので
薬を増やすなり、変えてみるなりした方がいい。
異常な信号が邪魔をして、成長を止めています。

症例がないケースなので
部分痙攣の薬から攻めるか、ウエスト症候群の薬から攻めるか・・・・
主治医と相談して薬を決めて下さい。
てんかん波が抑えられたら、この子はもっと成長出来ると思いますよ」





ハッキリとした診断は出ませんでした。
でも、セカンドオピニオンを受けて良かった。

今まで分からなくてモヤモヤしていたものを調べられて
詳しい話を聞けて、私達は前向きに治療する気持ちになりました。


これは弦ちゃんの一生付き合って行く病気。
本人が訴えられない分、調節も難しい。

主治医の先生と相談しながら、合う薬を探そうね!
これからも弦ちゃんの事、もっとよく観察しなくちゃ。

大丈夫!ぜ~ったい、何とかなるさ!
頑張って治そうね!!



そんな気持ちで帰ってきました。


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